ラヴィン・スプーンフル・・・名前の由来について

 今から37年前の1965年 この年に発売されたデビュー・シングル『魔法を信じるかい?』は いきなり全米ヒット・チャートの9位にランク・インこの大ヒットを飛ばしたのが ジョン・セバスチャン率いるバンド『ラヴィン・スプーンフル』である 

レコード・ジャケットの画像 

ラヴィン・スプーンフル・ファースト・アルバム     カマストラ・レコード ¥1,750

・You Didn't Have To Be So Nice・・・10位 (うれしいあの娘・邦題)
・Day Dream・・・ 1位
・Did You Ever Have To Make Up Your Mind・・・ 2位 (心に決めたかい?・邦題)
・Summer In The City・・・1位
・Rain On The Roof・・・10位
・Nashvill Cats・・・8位

 その後 次々にヒット曲作り出す 彼等 『ラヴィン・スプーンフル』のサウンドは 特定のパターンというものが無く 当時の音楽の世界は ビートルズやローリング・ストーンズ等 確固たる音楽スタイルを築いていく中で『ラヴィン・スプーンフル』のサウンド・スタイルは 多くのバンドに見られた”ブリティッシュ・ロック・バンド”のスタイルでもなかった

 カントリー&ウエスタン フォーク R&B それに ジャグバンド・サウンドでした アメリカの古き良き時代の音楽を現代に甦らせた
=グッドタイム・ミュージック=それが『ラヴィン・スプーンフル』のサウンド・・・でした

 当時 日本国内で放送される音楽番組のヒット・チャートで この『ラヴィン・スプーンフル』の曲は余り聴いたことが無いように記憶しています 新譜が出る度に曲調が変化するスタイルは一般受けしなかったのでしょうか 前述した曲の邦題 聴いてみようと思います?
"FEN放送”で聴いていたような記憶があります 

何年か前に『ラヴィン・スプーンフル』・・・3枚目のシングル・ヒットで「デイドリーム」という曲が テレビ・コマーシャル『午後の*茶』で流れていました またあのブルース・ウイルス主演の映画 「ダイ・ハード3」の "ビル爆破シーン”のところで「サマー・イン・ザ・シティー」が使われていました シングル5枚目となるこの曲は ’65.8.13 勇躍トップ 「ラヴィン・スプーンフル」の人気は 完全不動のものとなった

 この『名前の由来』を再編集していて気が付いたのですが 「ラヴィン・スプーンフル」の最初に 第1位になった曲は 『サマー・イン・ザ・シティー』ではなくて 『デイ・ドリーム』 の間違いです 
1966年4月9日付のキャッシュ・ボックス誌のランクで1位となっています この曲で「ラヴィン・スプーンフル」の人気が不動のものとなった

ペンションを開業する時に なんら迷ううことなく『ペンション・ラヴィン・スプーンフル』と名付けたのですが 親しみ慣れていないと舌をかみそうです

もうひとつのラヴィン・スプーンフル

 ペンションの名前が決まり 私には是非準備したいものがありました それは『ペンション ラヴィン・スプーンフル』のテーマ・ミュージックでした建物の中・周辺で聞こえるようにと 当時で考えられる方法は”ミニFM放送”でした 特注のFMのトランス・ミッターも準備しました ところが 肝心のアナログ音源であるレコードが見つかりません 世の中”レコードからCDへ”と移り変わって行く時期でもありました
私が捜していたレコードは『ミシシッピ・ジョンハート』という1892年生まれの ミシシッピ・デルタ・ブルーズを代表するブルース・マン シンガー&ギタリスト ハートが歌う曲の中に『Coffee Blues』というのがあるのですが その中で『ラヴィン・スプーンフル〜』と繰り返し唄っているのです これはまさに『ペンション ラヴィン・スプーンフル』のテーマだと勝手にきめていました

 私のレコード捜しはいとも簡単に挫折しました 東京の中古レコード店を捜し歩けば一枚ぐらいは見つかったかも知れません
その頃の私といえば 同居人の古里 河口湖に 京都から移り住んで約2年 はっきり言って東西南北の分からない町では迷子にになるに決まっています そんな訳で『ペンション ラヴィン・スプーンフルのテーマ・ミュージック』・・・その計画は終了しました
CD盤で捜せば あるいは入手できたのかもしれません

 ある日ある時 親しくさせて頂いたペンションのお客様と 夜にお話をしていた時の事 このジョン・ハートの話になり そのレコード持っていますよとの事 私はその勝手に決めている 『ペンション ラヴィン・スプーンフルのテーマ・ソング』の入っているレコードから「コーヒー・ソング」だけでもダビングさせてほしいと頼んだところ 「コーヒー・ソング」なんて曲は無い 「コーヒー・ブルース」の事ですよ と言われ絶句 『ブルース」が「ソング」に上書き保存されていたのです

後日 このお客様より 丁寧にまとめられたカセット・テープが送られてきました 曲目もワープロで丁寧に編集してありました

ジョン・ハートの画像

Mississippi・John・Hurt Today (Plus)
=A=
@ Pay Day
A I'm Satisfied
B Candy Man
C Make Me A Pallet On Your Floor
E Corrina Corrina
F Coffee Blues
G Louis Collins
H Hot Time In The Old Town Tonight
I If You Don't Want Me Baby

確かに7曲目は『コーヒー・ブルース』でした 結局このテープも『ペンション ラヴィン・スプーンフルのテーマ・ミュージック』として使われる事は無かったのです ペンション周辺に FMの電波それもある程度の強さを持たすには トランスミッターにアンテナを接続しないといけない訳ですが アンテナを接続するという事は 違法無線局となります まあ一番の問題はペンション近くを通りかかった車が こちらの設定した周波数にFMラジオを合わせてくれるのか という誰が考えても無理という結論です・・・お粗末
"私のお気に入り”として このカセット・テープは大切に保存しています 聴くのはMDで聴いています 機会があれば聴いてみて下さい ブルースといっても ジョン・ハートはフォークっぽく聴き易いと思います いいなと思う人 この手の音楽はだめだと拒絶する人 どの曲聴いても同じ曲にしか聞こえない人 様々だと思いますが・・・

2002年9月6日・再編集

河口湖ペンション ラヴィンスプーンフル &モビーグレープ